エキシマUV洗浄改質と持続時間

接触角光処理経時変化 ガラス基板

エキシマUV洗浄改質処理をした後、どの位の時間、効果が持続しますかという質問をよく受けます。
エキシマUV洗浄改質処理は清浄度、親水性、親和性、密着性、表面改質等さまざまな目的や用途に用いられます。ここでは接触角でUV洗浄改質処理前後の評価を行った場合についてご紹介いたします。効果が低下する要因は表面の汚染(コンタミネーション)です。表面が異物やパーティクルから受ける汚染や雰囲気から受ける(ケミカルコンタミネーション)汚染などがあります。


下のグラフはガラスなど無機物の表面をエキシマUV洗浄改質処理したものです。(樹脂などは別の話になります。)結論から申し上げると一般的な環境で一度エキシマUV改質洗浄処理を行った物が元のレベルまで戻るには数週間を要します。クリーンルームなどでは数か月です。(あくまでも一般的な条件です。汚染された環境下では当然もっと早く接触角は上がります。)この接触角が戻る期間が長ければ良いかというとそういう単純な事ではなくて、実際はそれぞれの用途で基準を決めて評価をしています。例えばこの製品の接触角は20°以下であれば目的の効果があるなどとユーザー自身が設定し品質管理を行っています。


UV洗浄改質処理直後のワーク表面は有機物が除去され水酸基OH-によって表面が覆われている状態なので高度な生体親和性の向上などの用途の場合には、次のプロセスへの移行は早ければ早いほど効果が高いと考えられています。ちなみに私たちの業界用語ではこのような取り扱いを「なまもの扱い」と呼んでいます。効果の持続性に関する資料はあまり公開されていないので弊社の経験がお役に立てば幸いです。