接触角計測結果が異なる 環境編
接触角の計測結果がばらつく要因として測定環境もしくは測定対象物の保存環境、測定対象物自身の変化などがあります。環境要因について具体的には、温度、湿度、清浄度、環境中の化学物質の濃度などがあります。これらの要因を厳密に管理した環境が半導体などが作られるクリーンルームです。クリールームとは天井一面にフィルターが配置され床は前面に排気穴が開いており常にダウンフローの気流制御されパーティクルやケミカルコンタミを管理している環境です。一般的な環境下で接触角測定した計測結果、あるていどのばらつきは当然です。
接触角がばらつかない状態とは表面が均一な状態です。清浄な状態はもとより汚染されているのであれば汚染が一様に表面に広がっている状態です。計測結果がばらつくという測定対象物の表面は、そもそも均一な状態のものでしょうかという事です。最高に管理された測定対象物の表面を除いて一般的な環境に置かれている製品の接触角は小数点以下の数値がばらついてもおかしくなく事実という事です。その様なことをふまえて実際の一般的な工場の製造工程では接触角の管理を「この製品は接触角20°以下(以上)であること」などと上限値や下限値を設けて管理されています。