接触角計測結果が異なる 計測器編

接触角計測定結果ばらつきの要因

接触角の測定結果が接触角メーカーによって違ったり同じメーカーでも機種によって違ったりする場合は主に2つの原因があります。
ひとつは「接触角解析公式の違い」接触角解析公式はθ/2法もしくは接線法などがあります。公式が異なれば結果も当然異なります。
ふたつめは「水平線の設定位置」についてです。接触角の計り方にはJIS規格がありますが「水平線の設定位置」についての規格がありません。殆どの計測結果の違いはこの「水平線の設定位置」の違いが原因であることが多いです。接触角を測定する際に理想的な測定方法は「カメラ読み取り角0°」となる真横から水滴を測定する方法です。しかし実際には、さまざまな表面条件のサンプル基板(透明、光沢、反射、梨地など)に対して、サンプル上に滴下した水滴の輪郭を真横から自動で検出するのは難しいため水平線の位置は各社独自の基準で測定しているのが主な原因です。

測定結果が異なる場合、実際に測定された水滴画像を比較してみてください。読み取り角度0°の画像は理想的な半円となりますが、ほとんどの接触角計の水滴画像は半円の下半分に反射の画像が映り込む形をしています。中にはラグビーボールのような形の水滴画像で接触角を表示しているものもあります。各社接触角計メーカーのカタログ上の接触角画像を比較しても異なることがわかります。 接触角データを比較する際に大事な事は「接触角解析公式の確認」「読み取り角度」もしくは「水変線の位置」を確認することが重要です。

最近ではいろいろなメーカーから独自の測定方法で計測された結果が「接触角」という言葉で表記しているので、どのような方法で計測された接触角なのか、その方法は世界的な規格に基づく測定方法なのかよく確認することが重要です。

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接触角計とは