新しいエキシマインプラント光機能化

従来の光機能化とエキシマ光機能化の比較

生体親和性の向上を目的とするインプラントの光機能化において、新しいエキシマインプラント光機能化と従来の光機能化との一般的な機器特性比較をご紹介いたします。

従来の光機能化に使用されている光源は波長185nm光エネルギー6.7eV/155kcal/moi、波長254nm光エネルギー4.9ev/113kcal/molの2つの波長を代表的な出力とする低圧水銀ランプです。このランプは酸素を有する大気中で点灯させると約100ppm程度のオゾンを発生いたします。水銀ランプはフィラメント電極の放電に伴う温度上昇でランプ管内の水銀を蒸発させて波長を発する原理のためランプの照度は温度とともに増大し最大照度に到達します。表面は一般的に100度以上の高温を伴います。したがって瞬時点等消灯のような運転には適しません。 また、ランプ管を縦に配置すると温度差による照度の均一性が生じることからランプ管の設置方向に制限があります。プロセス性能についてはインプラントの光機能化で約15分の処理時間を要します。これは出力波長に伴う光エネルギーに基づくものです。規制については2020年に水銀を含む製品の製造と流通を規制する水俣国際条約の影響を受ける可能性がございます。装置内に生じるオゾン処理について一般的に装置内のオゾン分解フィルターに所定の時間を排気循環させてオゾンを分解処理いたしております。

新しいエキシマ光処理に採用されている光源は波長172nm、光エネルギー7.21eV/166kcal/molを発するXeエキシマUVランプです。このランプは酸素を有する大気中で点灯すると約1200ppm程度のオゾンを発生いたします。エキシマUVランプには管内に電極がありません。希ガスのXe(キセノン)のみ封じられています。この希ガスを外部から励起させて波長172nmのUVを照射します。温度に伴う出力向上ではないのでランプは高温になることはありません。したがって温度による照度均一性の問題も無いのでランプを縦に配置することも可能です。ランプを縦に配置できるとインプラントを縦にセットし回転させなが均一に光処理することが可能になります。この構造は株式会社エキシマとマロクリニック下尾先生と知財登録いたしております。 エキシマUVランプは温度に伴う照度上昇は無いので点灯から約2秒で最大照度に達します。したがって瞬時点等消灯のような運転も可能になります。プロセス性能についてはインプラントの光処理で約1分の処理時間を要します。これは光の波長が短いので高い光エネルギーにより短時間処理が可能になったためです。
規制についてはエキシマUVランプは2020年に水銀を含む製品の製造と流通を規制する水俣国際条約の対象外ですので安心してお使いいただけます。装置内に生じるオゾン処理について業界30年の確かな経験に基づき独自のオゾン分解触媒を装置内に設置し排気循環させる事無くワンパスでオゾンを分解処理いたしております。 この方式は光処理したインプラントを再汚染の可能性を無くす理想的なプロセスを実現いたしております。